『週刊ヤングジャンプ』で連載中の人気漫画『九龍ジェネリックロマンス』。
今回は1巻のネタバレを書いていきます。
『九龍ジェネリックロマンス』1巻のネタバレ
主人公(鯨井令子)は、九龍という街で暮らしています。九龍は、住みやすい街ではありませんが、懐かしさを感じさせる場所です。しかし一方で、若者が多く集まる朝日通りという通りがあったり、上空にはジェネリック地球という人類の新天地が作られていたり、昔懐かしいような、現代的なような、近未来的なような様々な面を持っている街です。
そんな九龍で、鯨井は、小さい不動産屋に勤めています。そこには上司として工藤さんという人物がおり、彼は、ガサツな性格ですが、人情味がある人です。工藤さんは、懐かしいという感情は恋と同じだと思っており、九龍で暮らす住人たちは皆クーロン(九龍)に恋をしているんだと言います。
そんな工藤さんに対して、懐かしさを感じる事はあったものの、最初は「誰があんなゴリラ……」と思っていた鯨井ですが、工藤さんの人間としての温かさなどに触れていくうちに次第に工藤さんに惹かれていきます。
しかし、工藤さんと一緒に行ったカフェで、鯨井のスイカを食べた後にタバコを吸うという癖に対する工藤さんの発言から、前の彼女の存在が匂わせられます。また、鯨井はそのカフェの店員から、以前訪れていた工藤さんの彼女と勘違いされます。
その後、工藤さんは映画を見ながら鯨井と行ったカフェでの出来事を回想します。しかし、その回想で出てくるのは、鯨井と姿形は同じものの鯨井ではない女性。一方鯨井は、工藤さんに対する自分の恋心を自覚します。
ある日、オフィスで寝ている工藤さんに対して、鯨井はいたずら心で「工藤くん!起きなさい!」と声をかけ、起こそうとします。目覚めた工藤さんは、鯨井に対して優しく情熱的なキスをします。驚き暴れる鯨井に対して、工藤さんは、間違えたと言い、その場を立ち去ります。
その翌日も、キスのことを意識してしまう鯨井ですが、工藤さんはいつも通りの様子。そんな時、ふと、工藤さんの机から写真がはみ出ているのが見え、鯨井はその写真を見ます。その後、工藤さんと訪れたカフェに行き、写真を眺めていると、カフェの店員に、その写真はあなたと工藤さんの婚約祝いの写真だと告げられます。そう、写真に写っていたのは、工藤さんと親しげに肩を寄せ合う自分の姿だったのです……。
『九龍ジェネリックロマンス』1巻の感想
物語の舞台となる九龍は、かつて香港にあった九龍城砦というスラム街がモデルとなっています。雑多な雰囲気で、人がひしめき合う様子は物語にも独特の雰囲気を与えていますよね。この雰囲気を引き出しているのは、作者の一つ一つのコマへの丁寧な書き込みが為せる技だと思います。
また、作者の艶っぽい絵は、恋愛を色っぽく、魅力的に描き出します。工藤さんが鯨井にキスするシーンでは思わずドキッとします。
中華テイストを感じさせる恋愛漫画というだけでも素敵なのですが、この物語はそれだけではないようです。鯨井とそっくりな工藤さんの元カノの存在については、以降、謎が解き明かされていくことが期待されます。
また、他にも、蛇沼製薬という製薬会社が物語の随所に出てくるのが気になるところではあります。1巻では、まだ物語の大筋とは関係がないように見えますが、工藤さんと主人公の会話の中に出てきたり、街中で蛇沼製薬のCMが流れている描写があったり、主人公が蛇沼製薬の目薬を使うと、視力が回復したということなどがあり、物語の中で重要な役割を果たすようになっていくのではないかと考えられます。
九龍というノスタルジックで不思議な空間で進んでいく、鯨井と工藤さんの関係がどのようになっていくかも見所でありますし、様々な謎が散りばめられているのが今後どのように回収されていくのかが楽しみですね。
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九龍ジェネリックロマンス 1巻